【なぜ立野ダムをつくってはならないのか】

  • 洪水時、立野ダムの穴が流木や土砂でふさがり、洪水調節できなくなります!
    立野ダムは、白川上流の阿蘇・立野峡谷に国土交通省が計画した、高さ90mの洪水調節専用の「穴あきダム」です。立野ダムには、ゲートのない3つの穴がダムの下のほうに開いていますが、その幅はわずか5mです。これでは明らかに洪水時に流木が引っかかります。しかも、穴の内部に流木や岩石が入り込まないように、ダムの穴の上流側は隙間20cmのスクリーン(柵)で覆われます。これではなおさら流木などでふさがってしまうのは明らかです。
    洪水のときにダムの穴がふさがったら、洪水を下流に流すことができず、ダムは短時間で満水になってしまいます。九州北部豪雨のような洪水では、立野ダムは1時間あまりで満水となります。ダム下流の洪水流量は、0から一気に最大に上昇します。しかも、流木の撤去は不可能です。立野ダムは災害をひきおこします。
  • 熊本地震で、立野ダム本体予定地と水没予定地周辺の大半が崩れました。
    地震とその後の大雨で、立野ダム建設予定地の両岸は大きく崩壊し、ダム水没予定地周辺の大半が崩れました。大量の土砂や流木が立野ダム水没予定地にたまり、ダム本体予定地を流れ下りました。立野ダムが完成していたならば、ダムの穴はたちまち流木や土砂でふさがり、非常に危険な状態になっていたのは明らかです。
    大雨などでダムに水がたまった状態で斜面の崩落があった場合、ダムの水があふれて大惨事になるなど、危険であることは明らかです。
  • 国土交通省の「立野ダム建設に係る技術委員会」による検証も極めて不十分です。
    国土交通省は昨年7月、「立野ダム建設に係る技術委員会」を設置し、わずか3回の会合で立野ダム建設は技術的に可能、との結論を出しました。国土交通省が選んだ7名の委員は、熊本とは縁もゆかりもない方々ばかりです。技術委員会では、「立野ダム建設は技術的に可能」との国土交通省の説明を、7名の委員がそのまま了承して終わってしまいました。仮にダム本体建設が「技術的に可能」でも、まわりの地盤が壊れたら機能しなくなるし、危険です。その後も、国交省は住民の質問状に回答せず、住民への説明会も一度も開きません。
  • 河川改修で白川の流下能力は大幅に向上し、立野ダムを建設する必要はありません。
    国土交通省が情報開示した資料によると、2012年の九州北部豪雨の後、河川改修で熊本市内の白川は川幅が広がり、高さ2mの堤防も完成したことで、各地点で毎秒1000~2000トン余計に洪水を流すことができるようになりました。水害被害を受けていたのは、河川改修が完成していなかった地区だけです。
    一方で、立野ダムの洪水調節能力は、ダムが計画通りに機能しても、わずか毎秒200トンです。立野ダムよりも河川改修を進めるべきです。
  • 国立公園の特別保護地区を水没させ、天然記念物・北向山原始林を破壊するダム
    立野ダムは、阿蘇くじゅう国立公園の36ヘクタールもの広大な自然を水没させます。立野ダム建設予定地は、現状変更行為が許されない阿蘇くじゅう国立公園の特別保護地区にあり、国の天然記念物である北向谷原始林の一部も水没します。
  • 917億円(県民1人あたり1万5000円)の立野ダム事業費が、今後大幅に増えることは明らかです!
    国土交通省ホームページによると、立野ダム水没予定地には土砂崩壊で50万㎥の土砂がたまっており、計画通りダムが機能するには30万㎥の土砂を掘削する必要があるそうです。10トンダンプで、5万台分もの土砂を運び出し、処分する必要があります。また、大半が土砂崩壊したダム水没予定地の崩壊斜面をコンクリートで固める必要もあるのに、同省は立野ダム事業費は増えないし、工期も延びないとしています。あり得ないことです。
    今後も立野ダム建設を続けた場合、917億円の立野ダム事業費が、地震による建設現場の復旧や地すべり対策、崩壊した土砂の撤去、資材費の高騰などで大幅に増えるはずです。立野ダム事業費は、震災復興に投入すべきです。
    立野ダムは、白川流域の安全を守るどころか、危険をもたらすダム計画です。安全で豊かな白川を未来に手渡すためには、河川改修こそを進めるべきです。(2017年4月16日作成)
  • ↓立野ダム問題の要点を12分の動画にコンパクトにまとめました。ユーチューブで見られます。広めてください!