【立野ダムを造ってはならない理由】

●洪水時、幅5mの立野ダムの穴が流木や土砂等でふさがり、洪水調節できなくなります!

立野ダムは、白川上流の阿蘇・立野峡谷に国土交通省が計画した、高さ90mの洪水調節専用の「穴あきダム」です。立野ダムには、ゲートのない3つの穴がダムの下のほうに開いていますが、その幅は5mしかありません。しかも、穴の内部に流木や岩石などが入らないように、ダムの穴の上流側はすき間わずか20cmのスクリーン(柵)で覆われます。これでは洪水時にダムの穴は、明らかに流木などでふさがります。
洪水のときにダムの穴がふさがったら、洪水を下流に流すことができず、ダムは短時間で満水になります。満水となった時点で、ダム下流の洪水流量は、0から一気に最大に上昇します。ダム満水時に地滑りが起きたら、ダム津波が下流を襲います。立野ダムは災害をひきおこします。

●熊本地震で、立野ダム建設予定地の大半が崩れました。立野ダムは大きな災害源となります!

地震とその後の大雨で、立野ダム水没予定地の大半が崩れました。国交省によると、計画通りダムが機能するには今後、30万㎥の土砂を掘削する必要があるそうです。10トンダンプで5万台分もの土砂を運び出し、処分する必要があるのに、トラックや重機が下りていく道路がつくれません。ダム水没予定地の崩壊斜面をコンクリートで固める等の土砂崩壊対策工事もできません。
ダムの水位が上がれば、周辺の火山性堆積物が崩れ、湛水(たんすい)地すべりが発生するのは明らかです。付近には活断層も走り、ダムを建設するには地盤が悪すぎます。このような場所に、高さ90mもの巨大なダムをつくれば、次の世代に大きな災害源を残すことになります。

●国土交通省の「立野ダム建設に係る技術委員会」による検証も極めて不十分です。

昨年夏に国土交通省が設置した技術委員会は、わずか3回の会合で、同省の「立野ダム建設は技術的に可能」との見解をそのまま認めてしまいました。仮にダム本体建設が「技術的に可能」でも、まわりの地盤が壊れたら機能しなくなるし、危険です。その後も、国交省は住民の質問状に回答せず、住民への立野ダム説明会も一度も開きません。

 

河川改修で白川の流下能力は大幅に向上し、立野ダムを建設する必要はありません。

国土交通省が情報開示した資料によると、2012年の九州北部豪雨の後、河川改修で熊本市内の白川は川幅が広がり、高さ2mの堤防も完成したことで、改修前と比べ各地点で毎秒1000~2000トン程度余計に洪水を流すことができるようになりました。これまで水害被害を受けていたのは、河川改修が完成していなかった地区だけです。
一方で、立野ダムの洪水調節能力は、ダムが計画通りに機能しても、わずか毎秒200トンです。熊本地震後の立野ダム水没予定地を見ると、ダムを造れたとしても機能しないことは明らかです。立野ダム建設よりも河川改修を進めるべきです。

 

●国立公園の特別保護地区やジオパークの地質遺産、天然記念物・北向山原始林を破壊し水没させるダム
立野ダムは、阿蘇くじゅう国立公園の36ヘクタールもの広大な自然や、世界ジオパークに認定された阿蘇・立野峡谷の地質遺産を破壊し、水没させます。立野ダム建設予定地は、現状変更行為が許されない阿蘇くじゅう国立公園の特別保護地区にあり、国の天然記念物である北向谷原始林の一部も水没します。

●目的のない立野ダム建設に917億円以上県民1人あたり1万5000円以上)の税金が!
 917億円(平成24年現在)の立野ダム事業費は、地震による建設現場の復旧や地すべり対策、資材費の高騰などでさらに大幅に増えるのは明らかです。立野ダム事業費は、震災復興に投入すべきです。
立野ダムは、白川流域の安全を守るどころか、危険をもたらすダム計画です。安全で豊かな白川を未来に手渡すためには、河川改修こそを進めるべきです。  (2017年9月17日作成)

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立野ダムをつくってはならない理由

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